涙の雨

それから数日後

俺は山田と付き合う事になった



今思えば
ちゃんと断ればよかった

無理なら無理って




でもあの時は


もしかして長い間付き合っていけば、
自然と望月の事を忘れられるのかなって



頭でズルイ事を考えてしまっていたんだ






それにずっと好きでいてくれていた気持ちに


俺なりに応えたいという

変な思いが心にあったから



望月とは性格が全く逆だったけど

会っていても、友達のような感覚で楽しかった





体の関係も何回かあった


付き合っていれば、当たり前の事だし

嫌がる理由も無い



だけど

心のどこかで望月と比べてしまっていて



付き合っていても

頭から離れる事はなかった



学校でも姿を見かける事も多々あったから



望月が頭をよぎる度に



山田に対して

申し訳ない気持ちでいっぱいになる


胸が苦しくて
もし俺が山田の立場だったら

絶対に



相手を許せないと思う








それを実際にやってる俺は
最低な人間だと思った




山田が嬉しそうに笑えば笑うほど


別れ話が遠ざかっていく事が
辛くてどうしようもなかった
< 140 / 195 >

この作品をシェア

pagetop