涙の雨

立ち上がった瞬間

俺は立ちくらみがして、望月の胸の中に飛び込んでしまった


「あっ!すみませんっ!」


慌てて望月から離れようとする俺


だけど


望月はそのまま俺を抱きしめてきた




「細身だね、体。きつく抱きしめたら、骨折れちゃいそう」


クックックッと笑いながら話す望月



「ちょっ…離してくださいっ!」



そう言いつつも


心臓はバクバク激しく動いていた




―ヤバい!何かスゲー恥ずかしい!




まだ当時は身長も一六0ぐらいだったから


望月に抱きしめられると

すっぽり体が隠れてしまう



「ホントに止めて…―っ!」


その瞬間
突然俺の顎を掴んだ望月



「そうやって嫌がる所も可愛いよ、遼太」



俺のすぐ近くに望月の顔がある


顎を自分の方向に向けたまま



望月は俺にキスをした





「あっ…はぁあっ!」



親指で俺の口を開き


無理矢理舌を入れてきた




「んっ…んんっ!」

嫌がる俺を強く抱きしめ
中々離してくれない



抱きしめられる事も


ましてやキスをする事も初めてだった俺は



本当に混乱してしまった
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