涙の雨

その時


望月の手が俺のワイシャツの上から
体を触ってきた



「あの日から遼太の体に一回も触れてない。今までは毎日のようにしてたのに…」




ドクンドクンドクン!と

心臓が怖いぐらい速く鼓動する


望月の指先がネクタイを緩ませて

シャツのボタンを外し出してる




―嫌だ…





また手に汗がにじんできた

俺の耳の裏を望月が舐めてきた




―嫌だ…!





でも俺はまだ口に出せなかった


我慢すればすぐに終わると思ってたから





「遼太…好きだよ」



あったかい手が素肌に触れた途端


俺の中で何かがキレたんだ









「―離して下さい!」






俺は手を払い除け、望月から強引に離れたんだ





驚いた顔で俺を見つめる望月


「こういう事するんだったら俺、もう保健室には来ないです!」






こんな事



話すつもりなかったんだ




だけど我慢出来なくて

胸が凄く苦しくて




泣いてしまいそうな程






辛かった



俺の言葉に辛そうな顔をした望月は


ごめんと言って俯いていた
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