Sin(私と彼の罪)
「そう言えば、店にヨコイさん来てたんだろ?」
俺はそうめんを啜りながら彼女に問いかけた。
彼女の箸が止まる。
「…え?」
すると、途端に顔が青ざめた。
不思議に思った俺は、続けざまに質問した。
「何か話したのか?顔見知りだろ?」
「い、や…べつに?」
…?
明らかに嘘をつく志乃。
変だ。
直感で思う。
俺はさらに志乃を追い詰めた。
「歯切れが悪いな。俺に嘘吐いてんだろ」
「嘘なんて」
「本当か」
「本当よ」
そう言った瞳が揺れている。
耐えきれずに視線を床に落とした。
…やっぱり。
「は、嘘だな」
「……」
仕舞には黙り込んでしまう始末。
悪いことをしている気持ちになり、ぽりぽりと頭を掻く。
「おい、志乃…」
「どうしよう……善」
俺が口を開くのと同時に志乃も言葉を発した。
その声はあまりにも弱々しくて。
顔を上げた彼女は今にも泣きだしそうな顔をしていた。
初めて見る姿に、戸惑う。
「善…私……」
「なんだよ、言ってみろよ」
俺はゆっくりと移動して、彼女を自分の腕の中にいれる。
細くて白い肩が露出して口づけをしたい衝動に駆られる。
腕の中の志乃はなにかに怯えたように小さくなった。
なんだ?
様子がおかしい。
俺は心配になって、腕の力を強める。
「言えよ、志乃」