インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
たくさんのオモチャや
お菓子の詰まった袋をぶら下げて。



それが
子ども心には
とても魅力的に映った。



それも
一度や二度じゃない。



何度も
足繁く通ってきた。



そのたびに
オモチャに
お菓子も持ってきた



ときには

服や靴、
アクセサリー、
アイドルのポスターなんかも……



とにかく
子供が喜びそうなものをいろいろ……


そして
いつもニコニコ笑ってた。



お金持ちで
やさしいおじさん。



あたしは
すっかり騙された。



悪魔はやさしく
あたしに語りかけた。



「ここよりもっと楽しいところだよ。一緒に来ないか」



選ばれたのは、
あたしひとりだった。



みんな羨ましがってた。



なにも知らない
なんの知識もない

まだ子供だったあたし



「うん」



不覚にも
ふたつ返事した。



自分は
恵まれてる。



ほかのだれよりも。
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