インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
幸せの絶頂だった



悪魔は
あたしの手を取ると

にやりと笑った。



「さあ、行こう、毎日楽しいことが待ってるぞ」



それが
地獄のはじまりだった。









山奥――。



秘境といってもいい。



車に長い時間揺られ、いくつもの山を越えた。



どこをどう走ったのか分からない。



くねくねした
未舗装の道もあった。



すれ違う車は一台もなかった。



そして
ようやくたどり着いたのは

ごくふつーの
古ぼけた民家だった。



グループホーム。



そう呼ばれていた。



まわりにはなにもない。



コンビニ?



そんなものあるわけない。



小さなグランドと
野菜畑がある以外は
まわりは杉や檜に囲まれ鬱蒼としていた。



それから子供たち。



どういうわけか、
女の子ばかりがいた。
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