インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
さらに
幸運なことに
線路に行きあたった。



すぐに
駅の標識を発見。



が、電車賃がない。



せっかく逃げても
どうしようもなかった。



そのとき
逃げることで
頭がいっぱいで
警察やだれかに
保護を求めるなど考えもしなかった。



それにいえなかった。



悪魔からどんな凌辱を受けてきたのか口が裂けてもいいたくなかった。



それになにより
またその施設に戻されやしないか危ぶんだから。



そう絶望しかけたとき
ひとりの少女が
「うあっ!」
と奇声をあげた。



なんと
ズボンのポケットから
一万円札がでてきたのだ。



あたしも探ったら
あった。



みんなも。



「ヤッター」



うれしくなって
たがいに握手したり
抱き合ったりした。



涙ぐんでる子もいた



悪魔の妻。



あの人が
逃がしてくれた。


いわずとも
みんなそう理解してるのがわかった。
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