インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
そのときのあたしに
他人のことを心配する余裕などなかった



タダ乗り。



それでいくらかまだ手許に残ったが、すぐに尽きた。



ふらふらと歩いて
たどりついた街。





渋谷。




遊ぼうにも
お金は残りわずか。



なにもすることができない。



夜の街を
たださまよった。




公園のベンチ。



ぐったりとして横になる。



そして気づいたら
もう朝だった。




だが
そんな生活もその夜だけ。



次の日の夜には
見知らぬ男に拾われてた





ホテル。





やることは決まってた。




シャワー。




そして……




大丈夫。



自分に言い聞かせた。



はじめてじゃないし、
もうそんなの慣れっこ。



逆に、
男のほうが驚いてた。



目を閉じると、
はやく終わることだけを祈ってた。
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