インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
「うん。行きのバス停の、すぐ裏手にある内科の病院わかります?…」



「えっと、たしかレンガ調の建物、ちょっと古めかしい?」



「そう。入院してたとき、とっても暇で、それで病室の窓から、よく空眺めたり、下を歩いてる人を見てたんです…」



「なるほど、それであたしを見たわけ?」



「そうです。ある日、ふと見つけたんです。レイちゃんを……」



はじめて
明かされる真実。



あたしは
見つけられたんだ。



ひかりに。



この広い世界の下で。



その確率が
どのくらいなものか
知らないけど、

それが
あたしたちが出会う
きっかけになった。



「それでいろいろ考えちゃいました。きっと同じ年の女の子、それなのにおそらく学校に行くわけでもなく、いつもどこになにしに行くんだろうって…」



「ふ~ん。そうだったんだ。でも、乗るところはわかっても、どこで降りるか、わかんないじゃん」
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