インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
「そうなんです。あれはほんと偶然なんですよ。あの日、月に一度の診察でたまたま部活休んだんです。そしたらレイちゃんがいた…」



思い出すような目をすると、ひかりは迷いもなくいった。



「運命だと思いました。毎朝見ていた、あの子と、行きも同じなら帰りのバス停も一緒なんて、それはきっと運命だって…」




運命。



これほど
胡散臭い言葉はない。



けど、
いまなら
信じてもいい。



ひかりが
そういうんなら、
きっとそれだけの
価値があるだろうから。



「でも、それは同時に、これが最初で最後のチャンスで、このチャンスを逃したら次はないって思いました…」



「……」



「ドキドキしてました。あんなにドキドキしたのは生まれてはじめて。ほんと心臓が壊れるんじゃないかってくらい…」



「……」



「そこが悪いのに、そんなことするなんて笑っちゃいますよね…」



「ひかり……」
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