インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~
だけど
もう吸いたくてしょうがないあたしからは逃げらないって…



部屋の隅っこ。



行き場を失ったひかり。



ちょっと乱暴だと思ったけど、

タックルすると
そのままベッドに押し倒した。



「きゃ……」



ひかりが
小さく声を漏らした



わたしは馬乗りになり
さらには両手でひかりの両腕を封じた。



上と下で
にらみ合った格好だ。



さすがに観念したようだ、


ひかりはぐったりして
抵抗するのをやめた。



握りしめたライターを
その手からもぎ取った。



じっとあたしを見つめる
ひかり。


文句のひとつもいってやろうかと思ったが、

その真剣なまなざしに気圧されてなにもいえなかった。



黙ったまま、
瞬きもしない。


視線だけで
あたしになにかをいおうとしてるみたいだった。



近くで見る
ひかりの顔立ち。



まったく化粧っけはなく、眉を整えた後もない、
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