告白[短編集]
手に持ってるビニール袋を見れば、買い物してたのがすぐにわかった。


「こんにちは。」


舞があいさつしてるのに、無視。


「ちょっと、とうとう?」


「そうみたいですね。」


「うわー、長かったー。」


なんだかテンションの高い俺の母親。


舞の母親もうれしそうだ。

何なんだ?


「なんだよ。」


「あんたたちやっと付き合ったのね。」


つないでる手を指差しながら、喜んでる母親。


おい、指差すなよ。


「あんたたち、両思いなのバレバレなのに、なかなかくっつかないから、ヤキモキしたじゃない。
親が口だしちゃだめかと思って、何も言えなくて。
あー、辛かったー。
お泊りまで許可してんのに、進まない仲なんだから。
我が息子ながらヘタレすぎ。」


俺、親にまでバレバレだったのかよ。


恥ずかしすぎんだろ。


逃げ出してー。


舞を見れば、顔まっ赤。


「おっ、お母さん、知ってたの?」


どもってるし。


舞も恥ずかしいんだな。


「いくらなんでも、気づくでしょう。
毎日毎日隆くんの話ばかりなんだもの。」


舞、そんなに俺の事を?


舞は耳まで赤くなってる。
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