告白[短編集]
救護テント?


言われて見れば、田代さんといたな。


「当番の時間が一緒で、救護テントに座っていた時、男子が来たの覚えてる?」



えーと、うーんと。


救護テントにいたのは思い出したけど、あとはよくわからないな。



「私、小学五年生ぐらいから急に胸が大きくなってきて、まわりの男の子からかわれていたの。
牛みたいって。」


「えっ。」


牛ってなんだ。


なんだよそれ。


「なんだよそれは。」


「そう、あの時も救護テントに来た男子にからかわれる私を見て、立川くんかばってくれた。」


うわ、田代さん、笑顔だ。

笑顔、かわいい。


なんか胸にキュンと来た。

「私に、保健室からバンソウコ補充するように言ってくれて、バンソウコなんて救護テントにたくさんあったのに。
からかう男子からかばってくれた。」


あぁ、思い出した。


半袖の白い体操服に大きな胸。


すごく田代さんがまぶしくて、俺の胸は熱くなった。


見たいけど、見れなくて、ずっと校庭を見ていたっけ。


そしたら、三年の先輩が来て、田代さんをからかいだしたんだ。
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