告白[短編集]
「うわー、大きいなー、俺ケガしてラッキーじゃん。」


「ねぇ、サイズっていくつになるの?」



真っ赤にうつむく田代さん。


俺はいたたまれなくて、田代さんにまだたくさんテントに在庫があるのに、バンソウコを保健室に取りに行ってもらったんだ。


先輩をとめればよかったんだろうけど、とめられなかったんだ。


だって先輩は俺だから。


思ってた。


大きいなー。


サイズいくつかなー。


って、ずっと思ってた。


それどころか、もっとひどいこと妄想してた。


そんな俺に、すこしたってから戻った田代さんはお礼を言ったんだ。


「ありがとう。」って。


泣いていたんだろう真っ赤な目で、「ありがとう。」って。


胸が痛んだ。


痛くて、その痛みを忘れたくて、今まで忘れていたのかな?
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