100万粒の涙。⊹.*


―――ガチャ
優しそうなおばさんがあたしを見て吃驚した
「彩夏ちゃん!!!どうしたの?彩夏ちゃんっ!!!」
学食のおばさんだ・・・。
「た…すけて……ゆう…き…」
「彩夏ちゃんっ!!!彩夏ちゃん!!!」

おばさんは叫ぶ
「誰かっ!!!誰かっ!!」
「彩夏っ!?」
今、1番声が聞きたい人の声がした
あたしは抱えあげられる
「おばさん!お茶とって!!」
おばさんは「はいっ!」と言って取りに行った
「彩夏っ!頑張れよ!!頑張れっ!!」
祐樹はあたしを抱えあげて、広い所に連れてこられた。
みんなはあたしを吃驚した目で見る。

「皆さん、協力して下さいっ!!
誰でもいいので、救急車をっ!!!」
おじさんが慌てて携帯を取り出し、電話をかけた

おばさんが祐樹にお茶を渡した
祐樹はすばやくキャップを外して、あたしの口に注ぐ。
あたしはゆっくり飲む
そして、大きく呼吸をする。
「彩夏っ!!!頑張れっ!!もうすぐだからな!!」
祐樹はあたしの額に自分の額をくっつける
「ゆう…き……」
「大丈夫だ。彩夏、俺を信じろ!!」
あたしはゆっくり頷いた
すぐに救急車の音が聞こえた。
祐樹はあたしを抱えあげて、外に出る。

あたしはここで意識を飛ばした。

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