100万粒の涙。⊹.*


あたしの目から、あり得ないほどの大粒の涙が零れ落ちる

「…お兄ちゃん」

あたしは静かに歌い始めた
英語で歌う。

―――――――――歌詞の意味

あたし、今とっても幸せ。
貴方達と一緒にいるから…。

もう
あたしの命は長くない。

だから…
生きてる間を、無駄にしないように
みんなと楽しい思い出を作ってるの。

死ぬのは怖い。
もっと…生きたい。

本当は、おばあちゃんになるまで
生きたかった…。

だけど、
こんな体じゃあ、どうも無理みたい…。

だから、
みんなに覚えててもらいたいの

あたしの事を、忘れないでほしい。

あたしが生きてた事を…
  覚えてて欲しい。

あたしの事を忘れないで…。

これが、
あたしの最後の……願いだから。


―――――フワっ

「…忘れねぇよ。一生、忘れねぇ」
祐樹はあたしを壊れ物のように優しくソッと抱きよせた
「ゆう……き…」
祐樹はあたしの涙を拭った
「そうだよ。忘れるわけねぇーじゃん」
陸はあたしの頭を撫でる
「り……く…」
「俺ら英語喋れますよ~ん!!」
拓と慎と猛はニカッと笑って、ピースする
「1人で抱え込むなっつったろ?」
涼は優しく微笑んで、お茶を差し出す
「さっちんは笑顔が可愛いぞ?」
「んまぁ、泣いてる顔もそそるんやけどね」
大輔と祥は意味分からん言葉を言う

「…彩夏、一緒に頑張って行こう」
龍兄は笑顔になって、あたしに笑いかけた

「うんっ!!!」
あたしは微笑んで、みんなを見た

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