*PRECIOUS DAYS*
「えーと……、知りません。分からないです」

私は、つまらないくらいに丁寧に答えた。

他の子なら、もっと気の利いた返事が返せただろうに。
そう思うと、妙な敗北感を覚えた。

「何や〜。やっぱ皆覚えてへんかったかぁ。
まぁ、まだ集会の一つも開いてへんし、そんなもんやな。
俺の名前は、竹田義也。これから1年間よろしくな。」

そう答えると、先生はこれからの授業内容について話し始めた。
一年間の予定、といったところだ。

1学期は、主にソフトボールとバドミントンをやるそうだ。
球技が苦手な私と遥菜にとっては、かなりきつい。

「体育って、月、火、金やったっけ?
うわぁ、明日からソフトかぁ。ソフト苦手やから、嫌やわぁ」

「うちもうちも。ホンマにメンドいわ」

なんて言いつつ、あの先生が学校にいたことに驚いていた。
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