高峰君の秘密



そっとキスをした。

触れるか触れないか分からないような軽いキス。

それでも、私の顔は真っ赤だと思う…



「その顔…俺以外に見せんなよ?
俺にだけ、いろんな陽菜を見せればいいから…な?」

「~っ!!」



笑顔で“な?”なんて言われても…っ

何も言えなくなるのが悔しい…



コンコン



「!!?」



突然、部屋のドアをノックされて、飛び上がりそうになった。



「成弥、陽菜ちゃん。
いつまでもいちゃいてないで、早く下りてきなさいよ」

「あっ、ごめんな…………って、えぇ!?」



私が気付いたときには、美沙子さんの足音はすでに階段を下りて行っていた。


今…何て言った…?

まさか…っ



「…ばれてる?」



さっきとはまた違う、ドキドキがなる。

例えるなら、“ハラハラドキドキ”のドキドキ。



「当たり前だろ。
ばれてねぇとか思ってたのか?」

「…そんな…っ」

「バーカ」



成弥は涼しい顔をして言った。


焦る訳もなく…

余裕ありまくりの、ほんとずるい人!!



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