月の恋人
「…ゴメン、ゴメン、大丈夫か?ちょっと無茶し過ぎたかも。久しぶりで嬉しくてさ。」
あーもう。
コイツ、俺の「ムカつく」の意味を勘違いしてんだろーな……
「……ゆうべ…」
俺は、翔の方を見ずに
ことの核心に触れようとした。
ひとこと言ってやらねーと気が済まない。
「…ゆうべ、何してたんだよ、あんな夜中に。姉貴連れ出して。」
翔が座ってる、右側の気温が
急に下がった気がした。
「…へぇ……見てたんだ…」
冷たい声に
背筋がゾクゾクする。
やべぇ
なんでだ?
なんか……地雷踏んだ?俺……