月の恋人


月の光に照らされて、歩く。


翔くんとふたり

翔くんの背中を見ながら



あんなに
緊張していた

あんなに
ガチガチに意識していた


翔くんが傍にいるのに




あんなに恥ずかしいと思ってた

お風呂あがりの
パジャマ姿なのに



どうしてか

嫌じゃなかった。



月の光が
あたしの中の何か固いものを

サラサラ、サラサラ、
溶かしていくような




澄んだ

不思議な、夜だった。







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