不器用男子
気分的にテレビをつけるとなぜか、山田君事件がニュースに。


 ニュースにされるほど酷いことをされたの?



 いまいちわかりません。



「ひなみちゃーん! いる―?」

 ドアの向こうから、凌君の声がした。

「いるよー!」


 そう言って廊下に出ると凌君と伊藤君と…木下君。


「お話しよー?」

「う、うん!!」


 何のことかな?


 山田君のこと?


 しばらく歩いてロビーのソファーにみんなで座った。

「ひなみちゃん。 今日のこと気にしてる?」

 今日のこと?


 って、山田君のことしか思いつかない。

「山田のこと」

 木下君が窓の外を見ながら言った。

「気にはなってるけど…木下君助けてくれたし、大丈夫だよ?」

「そう…。 さっきね、秋谷のおっちゃんから電話があって、山田はもうここには戻れないらしいけど、代わりに新しい奴が入ってくるんだって。」


 へー。


< 40 / 244 >

この作品をシェア

pagetop