不器用男子
「俺たちも誰かはわかんないけど…念のため部屋を変えようと思ってるんだよね。」


 優しそうな眉毛がいつもより八の字になって話す凌君。


「あぁ。で、先輩危なっかしいから俺らで部屋を挟んでおこうと思って。」

 
 なぜか凌君の代わりにしゃべりだした伊藤君。

「危なっかしい? 私。」


「「「非常に」」」


 三人の声が重なった。

「そっ、そんな三人重なって言わなくてもっ!!」

「まぁ、とにかく先輩はそのままとして山田の部屋に俺が行くけどいい?」


「伊藤君が102号室?」

「うん! それで…新しくは行ってくるのが100号室でいいよね?」

 凌君が説明してくれる。

「うん。いいよ?」

「よし! じゃあ決定!! 後ね、名前で呼び合おうと思って。堅苦しいのヤダもん。」

「うん!」


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