彼が猫になる

決意

「お早う
  うぶちゃんよく寝れたかい?」

昨日ぶりのお婆ちゃん

ちょっと目が腫れてるみたい

気を遣っていつもより優しい

後ろめたい声

「お早う! 
  お婆ちゃん」

空元気じゃない。

全部分かった。

一護が去った訳

あたしは許すよ

きっと訳を話してあたしに

別れを告げたら

ずっと待ってるよって

あたしは言いかねない

一護も愛美ちゃんを

思って

愛美ちゃんを敵にしないよう

自分で蹴りをつけたんだ。

「お婆ちゃん。 
  愛美ちゃんの病院教えてくれる?」

え。

驚くお婆ちゃん。

まぁ無理も無い。

昨日の流れだったら

あたしは愛美ちゃんから一護を迎えに

行くって思う。

「違うの。
  大丈夫。愛美ちゃんを
  傷つけたりしないよ」

「どうするんだい?」

愛美ちゃんから一護を離すようなことしない

分からない

逢って何したいかも。

でもあたしも

すっきりしたい。

朝ごはんも食べて

あたし元気一杯。

なんとかなる気がした。

「送って行こうか?」

優しいお婆ちゃん。

ぅぅん。 大丈夫。

「また遊びに来てもいいかな?」

「いつでも。 おいで…
  うぶちゃん…」

ずっと言葉を濁してたお婆ちゃん

「二人をどうか…
        頼むよ…。」

「約束する。
  お婆ちゃん。
   行ってきます」

きっと不安で一杯だっただろう

あたしが何をしでかすのか。

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