誓いの言葉・高校編
押していた竹刀をわざと手前に引いた


当然、一瞬田崎さんの体制が前のめりになった


チャンス!!


私はその一瞬体をかわし多少斜めに入ったが、さっき取られた面を打ち返した


パチーーーーン!


めちゃめちゃ良い音が武道場に鳴り響いた


試合なら一本にはならないけれど(体勢崩れてるし)
余りにも良い音なったのでそこで"ヤメ"がかかった


蹲踞して礼をした後駆け足で近付き挨拶に行くと


「このジャジャ馬めっ!でも色々仕掛け怯まず攻める稽古良いぞ!こりゃー省吾尻に敷かれるかもな…」


"もう良いぞ!下がれ〜"
と、笑っていた

何よ!尻に敷かれるなんて
失礼な!
ちょっと憤慨しながら別の先生の列に並んだ



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トントン
背中を叩かれ振り向いた


「隆文さん!」


「凄いね。今の稽古!惜しかったけれど、あの人に面をあんな風に女子が入れる事ができるなんてビックリした。皆見てたよ!」


「え? 稽古だから打たせてくれたんだよ…」


「いや…あの人いつでも真剣だから、不意打ちされるとか有り得ない」

嘘っ!
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