クマさん、クマさん。




――――――――・・・・



大好きな子の背中がだんだん小さくなっていく。



「お前、これで良かったのかよ?」



後ろから言われても誰か分かった。


「いいんだよ。これで」



俺が行くのはアメリカだ。


逢いたいと言って逢える距離じゃない。



きっと今付き合っても、なっちゃんを泣かすだけ。



「俺はなっちゃんの笑った顔が好きだから、いいんだよ」



"クマさん"と言って笑うなっちゃんが大好きだった。



「いつ帰ってくんだよ」



「さぁ?大学を卒業しても帰ってくるか分からない」



あっちの会社に入るかもしれない。


どうなるかはアメリカに行って決まる。



「でも」



「なんだよ?」



「もしも俺がアメリカに行ってもなっちゃんへの想いがなくなってなかったら・・・俺はなっちゃんに伝えるよ」



「なにを?」


アカヤは笑った。


「分かってんだろ?」



「まぁな。でも、その時真中に彼氏ができていたら?」



「そんなの


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