加納欄の待ち合わせ シリーズ26
待ち合わせの時間にしては、まだ時間がある。

ただ、待たされてる身としては、もしかしたら、という心理状態におちいるのである。


そして、ドアを見た。



なんだ、ゴリラか……。


あたしは、大山先輩じゃないことを確認すると、残っていた紅茶を飲もうと、手を伸ばした。



……ゴリラ……?



記憶の中に、人間じゃない顔が、インプットされたことに、気がついた。


もう一度、顔をあげようとした時には、店内のお客さんの、悲鳴が響き渡っていた。


ゴリラが猟銃を持って、カウンター内にいる店員に向かって、日本語で怒鳴っていた。



ゴリラ2匹と、猟銃2丁っと……。


猟銃かどうかは、よくはわからなかったが、動物仕留める=猟銃と、結び付いてしまった。


筒が長いから、ライフルか何かだとは思うけど……。


あたしは、ゴリラから死角になる位置にすばやく移動し、観察をした。


「早くしろよ!金出せって!」


ゴリラが怒鳴っていた。


正確には、リアルに再現されているゴリラのお面を、頭からスッポリ被った強盗犯なんだけど。


「殺されてぇのか!」


そういうと、ゴリラは、持っていた銃を壁に向け、1発引き金を引いた。


店内に、ズドーン!と銃声が鳴り響き、壁には無数の穴があいていた。


逃げ遅れたお客さんの悲鳴がこだましていた。



ホントニ猟銃ジャナイ……。



ライフルかと思っていたら、散弾銃で、あたしは目を見張った。



なんで、ゴリラが散弾銃持ってるのよ?!



持つ相手が違うじゃない。


普通は、人間が持つんだからね!



……ゴリラの反乱?



馬鹿な考えが頭を過ぎり、そしてその後、S県で散弾銃が盗まれたニュースがあった事を思いだした。



わざわざ県越えて、こっちで騒動起こすことないじゃない〜。



あぁいう、おバカは、今捕まえなきゃ、何回でも繰り返すんだから!



なんでデート日に、こんな目に会わなきゃいけないのよぉ〜!



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