仮想友達
「また…今度でもえぇかな?」

控え目に問いかけると、困ったようにうつ向いていた亜衣ちゃんが頷く。

「じゃ、またね?」

約束通りに二人分のお金を置いて軽く笑いかけて店を出た。

途中で話を切ってしまった罪悪感と、メールをほったらかしにしていた焦りからさっさと帰りのバス停へ向かう。

丁度来たバスに乗り、さっそく編集中のメールを仕上げて送信した。

自分の周りを知らない相手。外見も学校での立場も自分の友達も知らない。

ただ毎日、メールするだけのその相手だけど…

携帯を触っている時が一番今の私にとっては楽だった。
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