加害者は俺、被害者は私。
コンコンッ
俺はいつものように、珀の病室のドアをノックする。
いつもと違う…とすれば、俺の昨日の不自然な態度で、珀はどう感じているかということに、少しの不安がある。
そこに…不安要素が集中していたみたいで…
「?珱…平?」
俺はドアの前で、立ち尽くしていた。
珀の声で、我に返る。
気付かれてないかと…
不安にさせてないかと…
ただただ、俺は…悩んでいた。
「何か、言うことあるんだね?」
優しく問い掛ける珀の声が聞こえ、俺は、無意識に下を向いていた顔を上げた。
そこには、何かを感じとっているような雰囲気を出す、少し目尻と眉を下げた珀がいた。