桜舞う木の下で

夏の訪れ*゚



「え〜これをχとし…」

4月は愛ちゃんの自殺しようとしたし、5月はうちの妹が風邪をひいて家が騒ぎになったし…色々ありましたね…二ヶ月…。
それにしても…なんなんだったんだろう…瀬川先生に聞いた時…小さな声で、帰ってくるからって…。


「仁川!!聞いてんのか!!」
「…はい!!」
「じゃぁ、この問題解け」


あれ以来私達は瀬川先生と口を聞いていない。
愛ちゃんは愛ちゃんで“あんな奴ほっとけ”とか言って…。
ほっとけないくせに。


「宜しい。」


そうそう、夏って言えば、私は進路を決めなくてはなりません。
私の将来の夢ねぇ…
ないかな。


「はい、ここまで」
「起立!!礼!!」


あっ…雨だ。
傘持ってきてないなぁ…。


「麻衣!!」
「ん?」
「次、先生じゃん!」
「ねぇ、愛ちゃん?」
「な〜に?」
「…何でもないや」

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