恋愛倶楽部 -love-
それも番号を打たずとも、着信履歴を開けば簡単に。
……そう思ったんだけど。
「せっかくですから、あなたにも夢を見させてあげましょう。
悲しい夢を、ね」
学の片手がそっと頬に添えられる。
交わる視線に、なぜか頭がぼーっとして。
「あなたには、仲間なんて存在しない」
耳元で囁かれる言葉が、身体から心までを支配していく。
なんだろう、この感じは。
まるで、聞いたことが全部本当みたいに。
「大切な人は、あなたを大切だとは思っていない。
むしろ嫌っている」
嫌だ、聞きたくない。
聞きたくないのに。
「思い出してみてください。
あなたの大切な人は、あなたにどう接していたかを」
拒絶すればするほど、声は思考を邪魔し始める。
何も考えられない。
言われていることだけが、あたしが唯一考えられること。
あたしの大切な人は、あたしにどう接してた?
奏斗、あたしを避けてたよね。
あたしは避けたかったわけじゃないのに。
牡丹、どうしてあたしを選んでくれなかったの?
弓道部なんかいかないで、ずっとそばにいてほしかった。