不器用な関係
「んで? 玉砕して帰ってきたわけ?」


「なんで玉砕って決め付けんだよ!」


興奮を枕にぶつけて 巧に投げ付ける


「だってよ、相手は日向葉月だろ。いくらお前でも無理。」


「――なかったんだよ。」


「え? 何だって?」


「だから!無理じゃなかったんだよ!」


手元にあったかわいくもなんともないキャラクターの人形を投げつけてやる


「え‥‥っ てことはOK の返事もらえたのか?」


さすがに巧も驚きを隠せない様子で、目を見開いたまま固まった


「あぁ、だから困ってんだよ! ドキドキしすぎて何話していいか分かんねーし。‥携帯も聞き損ねた。」


「ハッハッハッ!“バンバン” 」


枕を叩きながら笑い転げる巧


「いーかげん治んねぇのかよ! 葉月ちゃん限定のヘタレは! うっ‥ ハッハッハッ――」


涙を流しながら大笑いする親友を殴り倒したい衝動に駆られる


「校内きってのイケメンエースがこの様とはなぁ 今までの葉月ちゃんに対するヘタレ具合を暴露してやりたいよ。」



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