不器用な関係
「珍しいな~。葉月ちゃんが笑ってる。」


頭上から声がして目線をあげると


「三神君。‥私だって笑うんだけど?」


訝し気にクラスメイトの三神君に返事を返した


「いやいや、なかなか貴重なもんだよ~。クラスの奴らもそう言ってるぜ。」


三神君は席が隣のため、ことあるごとに私に話し掛けてくる存在
そんな彼を無視して、再び手帳に意識を戻すと


「冴嶋先輩まってるんだろ? 暇みたいだから一緒に待っててやるよ。」


そう言って、私の隣に重そうなスポーツバックを置いてしゃがみ込んだ


「三神君も誰か待ってるの?」


「ん? あぁ、残念ながら俺を待っててくれる彼女はいねぇんだな。」


誰も彼女とは言っていないが、突っ込むと話しが長くなりそうだから止めた


「気にならない?どうしてサッカー部のエースに彼女いないなんて?」


しゃがみ込んでいるため 自然と上目遣いになっている三神君に冷たい視線を送る


「ならない。」


「‥‥。ひっでぇな~。
少しくらい俺に興味持ってよ!」


ふて腐れたように地面の小石をいじりだした


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