GOD GAME



「鈴の音を受け取った。

安心しろ。

クエストをリタイアさせてやる。

早く俺に触れ。」

天空寺さんがゼウスとハデスに背を向け、僕に手を伸ばしてきた。


って…

侑弥さん!?


何で!?

やっぱり裏切ってなんかなかったんだ!


それとも…

天空寺さんも…

そもそも天空寺さんって、何者なんだろ…

信用できるのかな…


僕は、天空寺さんの手を握るのを躊躇した。

信じるか…信じないか……


《僕は僕を信じてくれる人を信じます。》


そう言ってはみたものの…

僕はどうすれば……


「俊…

とりあえず、一緒に来てくれ…

話は後でするから…」

侑弥さんが僕に背中を向けたまま、呟いた。

侑弥さんからも異常なほどの威圧感と殺気を感じる。

《我を侮辱しておいて逃げるというのか?

神の我を…》

ゼウスは、大人しい声で、しかし恐ろしい声でそう言った。

が、その言葉は天空寺さんに遮られる。

「神の名を語るな。

おまえは本当の神じゃない。」


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