君の笑顔を照らした花火
「私……僚二の制服姿を初めて見た時、僚二がちょっと大人になったみたいで……カッコよく見えて、ドキドキしたの」



あっ!

そう言えば、美雪の態度が変わったのって、あの時からだった。



「1度そう思ったら、それまでの『妹みたいな接し方』ってどうしていたか分からなくなって……でも、僚二は私の事を『妹』にしか見てないと思っていたから、嫌われたくなくて……それで避けてたの」



美雪は半分笑って、半分泣いていた。



『俺の大事な妹を泣かせるような事したら、例えおまえでも許さないからな』

頭の中に、真佐志の言葉が浮かんだ。



真佐志……俺、どうやら美雪を泣かしたみたいだけど……悲しい涙じゃないから、許してくれよ?



俺は美雪が持っていたチョコを受け取った。



「ありがとう、世界でたった1つのチョコ……嬉しいよ」

「僚二ぃ……」

美雪は安心したのか、本格的に泣き出した。

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