君の笑顔を照らした花火
≪そして……≫
バレンタインの日から、俺達は変わった……筈なんだけど……。

実際は、あまり変化は無い。



俺を避けていた美雪が、あの日を境に避けなくなり、以前のように俺になついてくれるようになっただけ。

まぁ、一緒にいる時、前より視線が合う回数が増えて、それがなんだか嬉しくて、お互いに自然と笑顔になってしまうのは……以前と少し、違うかなぁ?



俺はちょっと実感が無くて、実感出来るようにみんなに報告した。



最初に、幼なじみの真佐志と弥生、中学に入って親友になった隆志、いつか一緒に帰った時に美雪の話をした章弘へ報告した。



章弘からは、『前に俺が「小学生なのに彼氏が居るのか?」って言ったら、「居るわけ無いだろ!」ってムキになって怒ったくせに……単なるヤキモチだったんだ? しかも、自分が彼氏になってんじゃん!』、ってゲラゲラ笑われた。

真佐志と弥生は、多分、『いつかはこうなる』と思っていたような気がする。



俺の両親にも話したら、『そうかぁ、俺達にもいよいよ娘が出来るのかぁ』なんて、何年後か分からない未来にまで、夢をふくらませていた。



そして、今から報告するのは……。

< 38 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop