Dear...

未来

今野加胡。彼女はそう言った。
面白い名前だなぁって思った。
それに、あたしと正反対。
どっか危なっかしくて。真面目そうって感じ。
学校へ着くと、少し溜め息が出た。
「・・・カコちゃん?」
「あ、ごめんね・・・」
あたしが笑うと、カコも笑った。
「前向いて笑いなよ」
その言葉に頷くカコ。

学校へ入るや否や、先生たちがあたしを出迎えた。
というか、どうせいつものやるんでしょ・・・。
睨み付けてくるかのように、あたしの格好を見ている。
「何もしてないんですけど、あたし」
そう言ったって信じやしないんだろうけど。
隣で驚いているカコ。そういや転校生なんだっけ。
「ほら、転校生」
あぁ、と言って先生はカコを職員室へと連れて行く。
「じゃあ、またね」
うん、と言ってカコは反対への方向へと行った。

その瞬間、あたしの中の何かが切り替わる。
「おー未来、おはよー」
「おはよ」
仲の良い明日香が声をかけてきた。
「今日転校生来るんだってよ」
「知ってる」
「しかも、うちのクラス」
そうなんだ、と思う。良かった。
「この時期には少し珍しいかも」
というのも、二学期も中盤に差し掛かる頃だったからだ。
「まぁ、事情とかあるんじゃない?」
そう返すと、明日香も納得したみたい。


「でも、問題があるよね」



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