昆虫戦記
まことは
集落に辿り着く途中
4つ耳の狼に
疑問を投げかける。

「そう言えば、さっき文献って言ってたけど、あんた達は本まで書いて人間を研究したのか?」

「荒れた大地から人間が書いた文献を見つけ長い年月をかけ我らの先祖が解読をしたのです。それを新たに書き直したのは我らです」

「昆虫も本を読めたり書いたりできて人間を、やっぱり研究をしているのかい?」

「ええ、勿論です。しかし、彼らは人間の言葉を話す事が出来ず文献にも昆虫達の文字で書かれています。」

「あんたは、その言葉を理解できるのかい?」

「ええ、出来ます。昆虫達の言葉を解読するのに苦労しました。言葉だけでなく臭いも分かります。まこと殿と美加子殿の臭いが嗅いだ事の無い臭いでした。そこへ行ってみるとカマキリに襲われそうになっている所を
見つけました。仲間を遠くまで行かせ遠吠えさカマキリを遠吠えのする方へ誘導させたのです。彼らは単独でいる者を襲います。多勢でいる我らを恐れています。しかし、昆虫も多勢で来られると一筋縄では、行きません。」

「あんなデカい昆虫が多勢で来る事なんか、あるのか?」
< 22 / 105 >

この作品をシェア

pagetop