君と過ごした日々









「ふーん…。
やっぱ綾と拓海ってそういう関係だったんだね♪」


不意に後ろから聞こえた楽しそうな声。


もう振り向かなくたって解ってしまう、嫌に甘ったるい声。



「……。」


「え?なによ、無視?」


「…あんたには関係ないでしょうが、里桜。」


渋々振り向けば、声の通りの愉しそうな、そして意地悪い笑顔を浮かべた里桜がいた。


「確かにぃー?里桜には関係ないよっ!
ね、智士ぃ?」



里桜のとなりには、黙って立つ、












…里桜と腕を組んでいる、智士が。



もう、顔も見たくないのに。


「あぁ、全く関係ねぇな。」


…いちいちあんたの言葉でうちが傷つかなきゃいけないから。


…いつの間にか眉間にシワがよっていたのか。

拓海にとん、っと指先で眉間を押したことで、初めて気づいた。









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