君と過ごした日々







先輩の名前は真翼 朱希(マツバサ アキ)。


去年この学校を卒業し、現在長嶺高校一年らしい。

在学中はうちらと同じく吹奏楽部所属のクラリネット奏者。

高校では軽音部所属のギター奏者。


「あの、朱希先輩っ!」


「んー?どした?」


部活の休憩時間中、春香と、窓から外を眺めている朱希先輩に話しかけに行った。


まだ会ってから数時間も経っていないのに、まるで昔から知っていたかのように、綺麗な黒髪を靡かせ振り向いた。


「朱希先輩は、」


…なぜ。

なぜうちはこんなことをあって間もない人に相談しようとしているのだろう。



「……?」



急に黙ったうちを、朱希先輩は心配そうに見つめてる。



「…綾、」


春香にも、何一つ言えてないのに。

どうしてうちを見放さないんだろう。



「…あ、あははっ
 何話そうとしたか忘れちゃいましたっ!」


必死に取り繕ったうちは、端から見れば滑稽だったかもしれない。










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