君と過ごした日々
発覚
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主の元へ走る。血も涙もない、冷酷な主の元へ。
「里桜、見つけたよ。」
影の世界に足を踏み入れたうちは、慣れないことばかりで、みんなから随分と浮いていた。
「遅かったんじゃない?」
…だからそうそう簡単には見つけられねぇっつーの。
なんて、反論した日にはどんな仕打ちが待っているか等、想像しただけで吐き気がする。
「…ごめん。」
「で?誰?」
「成宮拓海」
今までにやったこともない情報収集に手こずりながらも、ようやく掴んだ名前。
「…はぁ?」
ビクッ
「今…何て言った?」
「え…。
成宮…拓海…?」
「有り得ない。
なんで!?」
でも、主の表情は想像していた表情とは違う。
「…何が…?」
「拓海が綾を好きって事がよ!!」
「成宮拓海を知ってるの?」
「…里桜が小学校の頃、好きだった奴よ。」
「…そう。」
「ま、まぁいいわ。
今は関係ないしね。
とにかく、思う存分拓海を利用しなさいよ。」
利用…?
「どういうこと?」
「綾と拓海がくっつけば、智士の邪魔者はいなくなるのよ?
誰も傷付かない、一番いい方法。」