君と過ごした日々

サボり





あれから何事もなく、真弥と会話することもなく、里桜と目が合うこともなく、春香と智士と夢斗の4人で平凡な毎日を過ごしてきた。


これからもずっとその平和な日々が続いていくと思っていた。


でも現実は甘くなく。
やはり突然に問題は降りかかる。


雨の降る不快な日だった。


あれから付き合い始めた春香と夢斗は、よく放課に2人で消えることが多くて、今もいない。


だから必然的に智士と2人でいる時間が増えた。


今も2人。


「綾ぁー…、暇ぁー…。」


「うちも暇だよー…。」


「なんかしよーよ。」


「なんかって何?」


こんな意味のない会話も日常茶飯事になりつつある。


「んー…、楽しいこと?」


「楽しいことって?」


「えー…?学校探検とか?」


「…小学生かよ。」


「いーじゃん!!楽しそうじゃん!!
おし、決めた。次の授業はサボって学校探検しよー!!」


「えぇ!?」


またこの子は!!我が儘ばっか言って!!


「佐光ちゃんにバレたらどうすんの!!」


「んー…、そこは綾に任せる!!」


いや、グッてやられてもね。無理だからね。


でも言い始めたら聞かない智士だからもうサボる準備をしている。
いや、特に準備とかないけど。



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