水島くん、好きな人はいますか。




昨日降った雨のせいで冷え込みの強いテスト最終日になった。登校時の寒さには気落ちしたけれど、テストが終わってしまえば自然と気分は高まった。


「万代ー! りっちゃーんっ」


自販機の前でなにを買おうか決めかねていたところに、みくるちゃんとハカセがやって来る。


「テストお疲れーっ!」


みくるちゃんは解放感を感じさせる笑顔を見せた。


「お疲れさま。まだ帰ってなかったんだね」

「うちらは教室でしゃべってて、飲み物買いに来たんだよー。万代たちも?」

「クラスの子たちと自己採点してる途中なんだ」

「うわあ、ほんとに!? えらいなーE組」


毎回恒例なだけで、4人しか残ってないんだけどね。


ホットココアに決めたわたしはボタンを押し、取り出す。


「あ、ハカセ。この子がりっちゃんだよ。幼等部のころから万代と仲良しなんだって」

「そうなんだ。はじめまして、りっちゃん」

「こちらこそお初お目にかかります! メガネくんのことは常々拝見させていただいてまっす!」


ぶふっと吹き出したみくるちゃんに反して、ハカセは動じることなく首を横に傾ける。


「そのあだ名、懐かしい」


りっちゃんの観察対象ゆえの呼び名ってこと、知らないのかな。ていうかハカセになる前は、メガネってあだ名だったの? 露骨すぎる。
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