真っ白な恋(BL)

現実

「………秋人?」


いつもの昼休み。

どうやらぼぉっとしていたようで箸を持ったヒナに頬をつつかれた。



「なぁ、お前なんだか最近変じゃねぇか?上の空って感じで…俺といるってのに…」


本当に高校生か?と疑いたくなるほど愛らしく幼いその容姿。
制服を着ていなかったら一体いくつに間違われるのだろうかという疑問すら浮上した。


「しゅーうーとー。 致し方ねぇ、お前のから揚げを…」

「…、アカンアカン!いくらヒナの頼みでもそれはアカンでぇ!!」



いつもの時間、いつものおかずの奪い合い。
昨日あんなことがあったというのに俺はどこまでも冷静だった。


心の隅ではもちろん罪悪感を抱えている。
しかしこんなにも心が穏やかなのはばれなければ問題ない、と思ってしまっているから、なのだろうか。
そうだとしてもそうじゃなくても…やっぱり俺は最低だ。






< 33 / 35 >

この作品をシェア

pagetop