shine!
「―――どうやって要を誘惑したのよ」


サキの取り巻きの一人、ミカがゆずを睨みつけた。


サキはミカの横で腕を組み、黙ってゆずを見ていた。


「あんたみたいな女に、モデルが二人もつくはずないじゃん。一体なにしたのよ」


「まくらじゃないの〜?可愛い顔してやることやってんじゃん」


まくらというのは「まくら営業」のこと。


要するに、客と寝ることでその客を獲得するという方法だ。


そう言っていやらしい笑みを浮かべたのは、さっきからこちらの様子をちらちら窺っているエリだった。


ミカもエリも入店して一年のキャバ嬢だった。


自分で頑張って営業するというよりは、サキにくっついておこぼれを頂戴するというタイプだった。


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