いぢわる王子様
☆☆☆

遠くから、すぐるの声が聞こえる。


……なんだか、怒ってる?


ほんの少し会わなかっただけなのに、ずいぶん懐かしい声。


すぐる……。


すぐる、やっぱり私すぐるのことが好きみたい。


夢の中だから、素直に言える。


私は、すぐるのこと忘れられるのかな?


清子さんとの関係を、ちゃんと祝福できるのかな?


今のままじゃ、自信がないよ……。


「……碧!!」


突然聞こえてきた現実の声に、私はハッと目を覚ます。
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