いぢわる王子様
自分から連絡を取る勇気なんて、ない。


だけど、誰かとつながっていたい。


だから待つばかり……。


ギュッと握り締めていた携帯電話を、右手がスッと離した。


携帯電話はそのままベッドの上に落ちて、右手は私の頬につたった涙をふいた。


そしていつの間にか、私は眠りについていた――。
< 302 / 403 >

この作品をシェア

pagetop