君の声。





「…よく、わかんないの」




そう雪が言った。




「私ね、陸ちゃんが好きだよ。」



「うん」



「でもね、付き合うって事がよく想像できないの。」




俺もだった。




雪が好きだと思うばかりで、つきあいたいだとか、こうしたいだとか




世間一般でいうオツキアイをしたいと思った事がなかった気がする。




気持ちを伝えただけで満足してしまったのかもしれない。




「だからね、陸ちゃん」



立ち止まった雪




俺も立ち止まって雪の方を振り返った。




雪は俺の手を両手で握って、胸のあたりまで上げた。




にこ、と笑い言った。




「もう一度、進んでいこう?」




今度は、二人で。











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