君の声。





「俺カバンと制服取ってくるわ♪」



「あぁ、走れよ?」



「ドSめ…」



「何か言ったかな?“ドM”ちゃん?」



「なんでもないですー。」




そう言って楢橋は出て行った。




〔…リ、ク……〕




ーーーッッ!!




あの声だ。




「く、そっ……」




音量を目一杯上げる。




ーザザッ




「ァあっっ……!!」



あの映像だ。




頭と目を押さえる。




あの映像も声も、




親父が死んでから俺にまとわりついた。




ある事件をきっかけに、




親父は刑務所に入った。




そして刑務所内で死んだ。




親父が死んでから、葬儀が終わって1ヶ月が経った日だったー‥









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