君の声。





「ま、まぁまぁ!呼んだのは雪だけじゃないし!!」



「雪がいる時点で俺を苦しめているとしか思えない。」




ーガチャ




「…なにこの地獄絵図」



「あ!紅ちゃんすまんねー♪厨房の制服、似合ってるぅー♪♪」




摩月さんの口の動きを読み取って、




「…佐山……?」




後ろを振り向けば
黒く長い髪をポニーテールにして厨房の制服を来た佐山紅子がいた。




「なんだ、藤堂もいたの。」



「…楢橋もいるケド」




摩月さんから手を離す。




なんか崩れ落ちたが気にはしまい




「…ふーーん。あの万年発情期もいんの。」




好きな女にヒドい言われようだぞ、楢橋




フィ、と顔を背けた佐山。




ん?




「………」




髪を撫でて顔を隠す佐山。




見えた顔はほんの少し赤く染まってた。




「プッ……」



「!?な、何笑ってんの!?」



「いや……」




ダメだ、笑える。




「佐山、お前……」



「な、なによっ!」



「…可愛いな」



「…なっ……」




そうか、
なんだよ。
お前ら両想いじゃん。




「な、なに言ってんのよ!タラシ!!」



「タラシじゃねぇ」




ニヤニヤ




ツンデレか。




「むっかつく…!」




ツンデレだ
ウケる




ますます赤くなってるし




「オーイ!お前ら仕事しろよ…って佐山!?」




噂をすれば




楢橋が顔を出す。




佐山を見つけた楢橋は一気に赤くなる。




佐山は顔を逸らす。




「…ブッ……」




ダメだ、




「「なに笑ってんだ・のよ!!」」



「ブハッ……」




ハモリにさらに爆笑。









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