君の声。
「まー仕事しよーぜー、鈍感さん♪」
「「はぁ!?」」
またハモってる。
「すいませーん」
「ぁ、私、注文行くね…?」
と、雪はフロアに出て行った。
「ぁ、あ!俺も!!」
楢橋が後を追う。
あ、コケた。
「…佐山ー」
「……何よ?」
「雪、何かあった?」
「は!?」
佐山が驚いた顔をする。
「今さっき…なんか元気なかったから」
フロアに行く時、少し雪の顔が曇っていた。
それは気づかない程度の小さな変化だった。
佐山は少し考えていたが、やがて口を開いた。
「…アンタが分かんないのに、私がわかるわけないじゃん」
「え?」
「ホラ!仕事、仕事!!」
バシン、と背中を叩かれ、佐山は仕事をし始めた。
なんとなく、
それ以上は聞けず、俺も仕事をし始めた。